和裁で使う絹糸選びには、色見本帳があると便利!

この週末は久しぶりに、お裁縫箱を取り出して、絹針を持った。といっても、自分の夏着物の裄直しや帯芯の入れ替えくらいものだがw。

それに絡んで、絹の手縫い糸と色選びなどについて・・。

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和裁で使う絹の色糸

和裁では、縫い糸の色は生地の地色に合わせるのがお約束である。
袷の着物では着ていて糸が見えることはないが、薄い地色に糸色が透けて見えるようなことはよろしくないし、単衣ではどうしても絎け糸が表に出る。

このため、糸の色選びにはけっこう気を遣い、たとえば地色が大きく違う染め分けの生地などを仕立てるときには、色場に合わせて糸を変えていく。

もちろん裏地でも、胴裏の羽二重部分は白い絹糸(これをシロキと言ったりする)、八卦には同色糸を用いる。

糸の購入と色選び

しかしこの糸の色選びというのが、実際にはけっこう大変なのだ。

私は糸を買うとき、なるべく色を合わせたいので、何本もの重い反物や着物(あるいは生地の切れ端)を持ってお店に行き、実際に地の生地色と合わせてから糸を買っていたが、それでも帰ってよく見ると色ずれしていることがある。

これは、お店が暗かったり、カード巻きの糸を包んでいる包装セロハンが光ったりするためでもあるが、明るいところで落ち着いて見直して糸色が目立つような場合には、やる気がそがれるので(笑、またお店に行って買い直すこともしばしば。

京都の染め物屋さんなどでは、決まった時刻に、同じ方角から障子紙1枚を通した自然光で色を確かめるというが、色味というのはそれほど微妙なのだ。

絹の手縫い糸について

絹糸のメーカーは、私が知っているだけでもいくつかある。

東京では撚りが強めの「金亀」が定番で、和裁教室などでどの糸がいいかを先生に聞くと、たいていはこれを薦めてくれる。

絹の手縫い糸を置いているお店自体があまり多くないが、お店によっても扱っているメーカーが違う。よく行くお店では「天下一印」を置いているので、私の手元にはこちらの糸が多いが、ほかに「都羽根」や「オリヅル」、「だるま」、「タイヤー」などがカード巻きの絹糸を販売している。

(縫い感については、それぞれ微妙に違うような気もするが、しっかりわかるほどのキャリアでもないので(笑・・)。

ちなみに、「金亀」の手縫い糸はカード巻き1枚で80m、「都羽根」は40mである。

一般的に、袷の着物1枚を縫うには40mあれば仕上がる計算になるが、単衣の場合には絎ける分の糸がかなり多くなるので、これでは少々足りなくなることもある。

私の場合は、裄や身幅など部分的な直しのために糸を買うことも多いので、とりあえずカード巻き1枚の単価が安い「都羽根」の見本帳を購入した(メートル単価では、もちろん長い方が割安になるが、必要なときだけ2枚買えばいいわけなのでw・・)。

「都羽根」の糸色見本帳

今回購入した「都羽根」さんは、青や紫のバリエーションが充実している京都の糸屋さんである。

「都羽根」見本帳には、全204色の現物の糸が閉じられており、閉じ台の裏側に各色の名前が書いてあるのが特徴。

日本の伝統色などと言われることもある各色も美しいが、それぞれの色名にも意味や風情があって興味深い(それにしても、色の和名というのは美しい♡ 表現力にも惚れ惚れするが、色に対するこの繊細な感性は、日本独特のすばらしい文化の1つだと思う)。

糸色を選ぶときは、閉じ台を持ち上げ、下に生地を置いていちばん馴染む色を探す。馴染む色というのは目立たない色のことだが、まったく同じトーンより、どちらかというと地色よりやや濃い目の方がいいことが多い。

色見本には1つずつに番号が振ってありこれがメーカーの色番となるので、色が決まれば、これと同じ番号のカード巻きを購入すればいい。

見本帳があれば、家で落ち着いて色合わせができるし、色番さえわかれば重複買いをすることもなく、ネットでの注文も可能となる。

見本帳を買ったのが今さらなのは、糸のサンプルの割にはけっこうなお値段なので躊躇していたためだが(笑)、色が合わないで買い直した糸代の方が高くなる前に、もっと早く諦めて買っておけばよかったw・・。

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