丹後・天橋立(あまのはしだて)。私の日本三景めぐり完結のとき_丹後①

6月上旬、大阪で用事を済ませ、その足で丹後半島・宮津に向かった。
ここには、日本三景の1つである海を渡る古道「天橋立」がある。
 

安芸の宮島、陸前松島はすでに見ていたが、長らくこの二景止まりであったので、今回の丹後天橋立を含め、私の日本三景めぐりがようやく完結したことになる。
 

最近では「海の京都」とも言われ注目されている丹後だが、昔から人々に愛されてきたこの美しい地の、海と風の記憶をまとめておきたい。
 

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往路ー初めて乗る列車の数々

まずは、大阪駅から福知山に。初めて乗る特急「こうのとり」で1時間30分強の列車の旅。
 


 

福知山駅で京都丹後鉄道に乗り替えて、終点宮津まで乗り継ぐこと1時間弱。
「たんてつ」と呼ばれるローカル線には、1両編成のワンマン列車が走る。ちょうど下校時にあたり、地域の高校生たちが帰路に着く頃だった。
 


 

17時前に到着した宮津駅のロータリーで、ホテルからの送迎バスを待つ。
ここまで大阪からも京都からも特急列車を使って2時間半ほどかかるわけだが、このとき改めて、京都府は広いのだということを感じた。
 


 

なお、今回は列車で移動したが、大阪・京都からは高速バスもある。所要時間はほぼ同じだが、料金は4割ほど安くなるので、発車時間が合えば検討に値する。
 

天橋立股のぞきまでの道のり

翌朝ホテルで朝食をすませ、駅までの送迎バスに乗り込む。
今回2泊したのは、全室から宮津湾と天橋立が望めるロケーション自慢のリゾートホテルで、宮津駅から車で20分ほどの高台に建つ。午前中2回ほど、宮津駅を経由して、その隣の天橋立駅まで送ってくれる便があるので助かる。
 
事前に調べる時間がなく、ツアー等の申込みは締切後。観光のポイントや所要時間もよくわからなかったが、とりあえず、陸路・海路の拠点となる天橋立駅まで行ってみた。
 


 

文殊エリア散策

天橋立は、橋のようにも思われる全長約3kmほどの細長い地形で、大半は松林に覆われている。
この駅側が、阿蘇海の観光名所が集まる文殊エリアと呼ばれる。
 
反対側の府中エリアまでは徒歩でも渡れるが、ひとまず、行き用にレンタサイクルを借りてみた。
府中エリア乗捨てまでが400円、帰りの水上バスの料金込みなら1000円程度。界隈に何ヵ所もあるので、ここまで来れば、迷わずレンタル可能である。
 


 

文殊エリアの展望台である天橋立ビューランドは、このとき改装中で入れなかったので、ゆっくりと知恩寺に参詣。知恩寺は、日本三文殊の1つで、通称「切戸の文殊堂」といわれる霊場である。古くから受験合格祈願で訪れる人も多い。
 


 

海べりに建つ「知恵の輪灯籠」は、写真などでもよく見かけるここのシンボル的存在である。
 


 

簡単なガイドマップを手にひととおり見て回ったので、いよいよ天橋立に!
 

天橋立の松林

赤い橋を渡ると、そこからは天橋立に入る。
この橋は小天橋というが、大型船を通すために、中央が両端から離れて90度回転するすごい作りになっていて(笑、一般には廻旋橋と呼ばれているようだ。
 


 

ゆっくりと自転車をこぎながら進んでいくと、林には文人や皇族ゆかり命名の松が配され、それぞれに趣のある木の姿が目を楽しませてくれる。
海に浮かぶここは、さすがに風が強い。この日が特に強風だったのかはわからないが、帽子が飛ばされて、何度拾いに戻ったことか(笑・・。
 
そんな風のせいか、松林から見る左側・阿蘇海は荒波にしぶいているのに、右側・宮津湾は湖面のように穏やかというアシンメトリーな海景色。双方が同時に視界に入る景観は印象的だ。
中程にある「磯清水」は、海に囲まれながらも塩分を含まない不思議な湧き水をたたえる名水百選の1つ。
 


 

その先の天橋立神社にも拝観し、ようやく対岸にある船の駅、一宮に到着した。
 

府中エリア

ここの船着き場周辺にレンタサイクルの返却所があるので、自転車を返し、ここからは徒歩で向かう。
傘松公園の展望台へはケーブルカーかリフトを利用するのだが、まずは、乗り場に向かう途中にある「元伊勢籠神社(もといせこのじんじゃ)」に参拝を。
6月の風物詩でもあろうか、神社正門には、「夏越しの祓」に向け「茅の輪くぐり」がしつらえてあった。
 


 

乗り場に着くと、ケーブルカーとリフトの改札が分かれていた。乗車券は同じで自由に選べるのだが、ケーブルカーの方は年配の観光団体で少々混んでいたので、迷わずリフト乗り場に。
降りたところが、展望台となっている傘松公園である。
 

目指していた股のぞき用の台が、3本ほど並んでいた。
空くのを待って、私もさっそく、スマホを片手に天橋立を逆さにのぞき込む。
私の三景めぐり完結の瞬間である。やったね!
 


 

ここからの眺めは、龍が天に駆け上るように見えることから「昇龍観」といわれる。
いわれてみれば、天空に橋が架かっているようにも、龍の姿のようにも、見えないことはないか(笑。
・・が、あまり長く下を向いていると、ちょっとクラッとするので、ここはほどほどにw。
この後は展望レストランで、海景色をガラス越し見下ろしながら、ランチタイム。
ビューランドが休館のせいもあってこの日のお店は混んでいたが、幸いにも、時間を気にする旅ではないので大丈夫w。
 


 

この後は、展望台にあるバス停から数分先にある「成相寺」にお参りして戻ってくるのがお薦めコースのようだが、小雨がぱらついてきたこともあり、私はこれで引き返すことにした。
 


 

復路のリフトを降りて立ち寄った真名井神社と、再度参詣した籠神社については、稿を改めて。