西新橋から2回のお引っ越し。プロメテウス像は、石油業界の再編とともに

プロメテウスは、ギリシャ神話で、人間に火を与えたとされる神様である。
ギリシャ神話によれば、プロメテウスが人間に与えた「火」は、天界から盗んだもの。
これを人間に与え文明を築かせた者として、よく科学技術の話中に取り上げられる。
 
しかし反面、このことでゼウスの怒りを買い、コーカサスの山岩に鎖でつながれて、永遠にはげ鷹に腹を引き裂かれ肝臓をついばまれ続ける、という残酷な刑に処された神様でもある。
 

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西新橋交差点にいたプロメテウス像

本日打ち合わせに出かけたビルで、懐かしいこの像と久しぶりに対面した。
 
このプロメテウスは、1988年に新日本石油の100周年を記念し、西新橋本社に建立されたものだ。
当時の新日石がエネルギーの安定供給を託し、富永直樹氏が彫刻したこの作品は、西新橋の交差点で目立つランドマーク的存在でもあった。
 


 

JXビルへお引っ越し

新日本石油が新日鉱ホールディングスと経営統合してJXホールディングスになった2010年、この像も、新会社本社となった大手町のJXビルに一緒にお引っ越ししたのだった。
下の写真が、JXビル脇に移されたこの時のものである。
(同JXビルは、新日鉄が新会社発足の記念式典を行ったビルでもある)。
 


 

そして今は大手門タワーの屋内で・・

さらに2015年、「大手門タワー・JXビル」竣工に伴い本社を同ビルに移転した時も遷座させられ、今度は屋内に移転した。
 


 

ようやく落ち着いて現在に至るわけで、プロメテウスもけっこう忙しかったのだ(笑。
ちなみに、石油会社では、外資系に対して民族系という言い方をする。業界の分科会に関与していたこともあり、関係者の方たちから、当時の取引慣行や「業転」などもいろいろ教えてもらったが、こうした用語も懐かしい。
 

銀行同様に同業界も再編が激しい。この4月にも、JXホールディングスは東燃ゼネラル石油と統合して、JXTGホールディングスと名を変えた。
 

途中から系列が混乱してしまった私と違って(笑、この像は、生まれた時からこうした変遷とともにある。感慨深いことだ。