三井記念美術館で春の恒例展示「三井家のおひなさま」を鑑賞

仕事関係でチケットをいただいたので、週末のお買い物ついでに初めて三井記念美術館にいってみた。地下鉄「三越前」駅から徒歩1分で、アクセスもいい。

日本橋近隣も再開発が進む中、室町のこの界隈は、昔ながらの面影を残している。東京らしい風景の1つとして、このままであり続けてほしいと思うのは私だけであろうか。

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日本橋室町の中心に建つ三井本館

日本橋を渡ると、中央通りの左手に三越が見えてくる。三井記念美術館は、そのひとつ先隣にある三井本館の最上階、7階にある。マンダリン・オリエンタルが入る近代的な三井タワーと渡り廊下でつながっているが、それとは対照的な重厚な建築が印象的である。

建物を入ると正面に美術館へ続く上り階段が見える。この左手通路からエレベーターで7階へ。

エレベーターを降りるとまず、鹿の彫像が迎えてくれる。

テーマは、毎春恒例となっている「三井家のおひなさま」。毎年この時期になると、この美術館には、三井家の夫人や娘が大切にしてきたひな人形たちやひな飾りが展示される。

今回は、11代高公夫人とその一人娘である浅野久子氏を含む2組の母娘ゆかりの、それぞれに贅を尽くした逸品が並んでいた。

公営の美術館に比べればそれほど大きな空間ではない。
いくつかの室に区切られた中、常設展示であろう茶道具の逸品を眺めながら進むと、中程に復元された茶室があり、ひな飾りはその回りのガラスケースに納められていた。お人形やお道具にはすべて、それぞれの持ち主ごとに、巴や子蝶といったお印がつけられている。中でも、久子氏の幅3メートルもある巨大なひな壇は目を引くものであった。

中高年の女性客が多かったが、混んでいるというわけでもない。ゆっくり説明書きを読みながら歩いているうちに、私の目はだんだん、人形やひな飾りよりも、その持ち主の出自や経歴にとらわれていった。
さすがはわが国きっての財閥当主の奥様たちというべきか、ご本人たちがおひな様そのもののような別世界の人なのである・・。 私には三井家代々の閨閥の多様で華やかな構成の方が、展示品より、格段に印象的だった(笑。

ところでこの本館の外壁には、銀行名の文字看板が掲げられている。

現在は「三井住友信託銀行」との金文字が、遠目にも目立つ角に掲げられているが、これがしばしば変わってきたのも興味深い。

もともとは三井財閥の拠点として建築され、重要文化財にも指定されている建物である。外観も歴史を感じさせる石壁の重厚な作りだが、内部も旧式の姿で残るエレベーターや扉が歴史を感じさせる。ひと頃前のドラマ「半沢直樹」のロケで登場したこともあり、最近では、日本橋のちょっとした観光名所になっているようだ。

月曜休館で、入館料は一般が1000円。

中のコインロッカーは、返却式である(私は、ここで取り忘れた100円が悔やまれるが・・(笑)。
お買い物ついでに行きやすいロケーションでもあり、一度立ち寄るのも悪くない美術館だと思う。

帰り際には、1階のマンダリンホテルに入っているお店のスイーツをお土産にw。